前回、手ぶれ補正の仕組みをご案内させて頂きました。
簡単におさらいすると、
光学式手ブレ補正、電子式手ブレ補正、光学式的手ブレ補正。
あとは3軸ジャイロ、5軸ジャイロ、6軸ジャイロ補正。
格安アクションカムでは補正処理の重さを考えると5軸ジャイロ搭載の光学式的手ブレ補正(電子式)が最もバランスが良い。
部品、チップ、形状から検討しベストバイと思われるタクビーンを購入し、ハノイ近郊にて試してみました。
実際に使ってみて分かった良かったこと。
実際に使ってみて分かった悪かったこと。
手作業で改良した点と、その結果。
今回は、TEC.BEANアクションカムについて少し詳しくお話します。
目次
実際に使ってみて分かった良かった点
これは画質です。
iPhoneSE、Canon G9Xと比較しても、価格を考慮すると充分健闘しています。
特に昼間や夜のイルミネーションなど明るいとこであればiPhoneと遜色ない映像を見せたくれます。
それに加え、TEC.BEANアクションカムは広角レンズ搭載の為、画角が圧倒的に広い!
そして、気になる手ブレ補正ですが、これも見てわかるほどしっかりと効いています。
いつもはジンバルを使用していますがジンバルなしで手軽に撮りたい時には最適です。
あとは、雨の日。
モーターとジャイロセンサーを搭載するジンバルの方が手ブレ補正が高いのは言うまでもありません。
ただ、
・価格が高いこと
・コンデジ搭載となるともっと高いこと
・大きく、重たい
・雨や砂ぼこり舞う所では使えないこと
これらを考慮すると、単体でここまで手ブレ補正が効くのは非常に良いことです。
単純に性能で比較するとコンデジ+ジンバルの組み合わせに軍配が上がりますが手軽さを考慮するとTEC.BEANアクションカムは1つ持っていても良いと素直に思います。
あとは安い。こんなガジェットが1万円ちょっとで手に入るなんて夢があるじゃないですか。
たった一万円とちょっとで、大切なシーンを残せる。
これだけでも買って良かったと思えるに足ります。
実際に使ってみて分かった悪かった点
これは少し意地悪な言い方になりますが
・4Kはフレームレートが低い
・レンズ性能的に暗いシーンは弱い
・バッテリーのもちが短い
・録音される音声が小さ過ぎる
・手ブレ補正をオンにすると画角が狭くなる
・手ブレ補正をオンにすると画質が悪くなる
この金額でここまで求めるのは酷ですが敢えてあげるとこれくらいでしょうか。
正直、これらに関しては買ってはいけない理由というより、ここを理解して上手く使えば最高ですよ。ということ。
・4Kはフレームレートが低い
一応4Kは対応していますがフレームレートは24fpsまで制限されます。
一方フルHDであれば60fpsです。
アクションカムを使う、アクティブな動くシーンだからこそ問われるフレームレート。
実際に使う中で分かったのはこの価格帯で搭載できるチップの処理能力を考慮すれば1080p60fpsがベストな選択です。
いつも動画を確認する際は27インチiMacを使っているのですが個人的には十分耐えられる解像度です。
ましてやYouTubeを始めとしてまだまだ4Kは少なくフルHDの時代なので必要十分と言えます。
ただ、どうしても4Kに拘るという方は他を当たってください。
そもそも、格安アクションカムで実現出来るものではありません。
というか、ゴープロなども含めてアクションカムではなく、一眼レフや高級コンデジなどに求めることです。
いくら4Kだとしても中途半端なレンズであれば、あまり良い絵は撮れません。
結局、高精細高画質を求めるにはそれ相応のレンズが必要です。
それこそレンズ単体で数万円〜数十万円するものが必要です。
・レンズ性能的に暗いシーンは弱い
このままレンズ繋がりでいきますがTEC.BEANカムは薄暗いシーンに弱いです。
撮影出来ない訳ではありませんが、弱いです。
どう弱いかというと、描写力が極端に落ちる。
照明があるようなシーンであれば綺麗に発色し撮影出来ます。
ただ、外部照明が無いようなシーンでは発色が悪く、やはりノイジーな絵になります。
これは、、諦めてください。
レンズのF値2.0のカメラ+ISO6400くらいにすれば綺麗なんでしょうが、格安カメラでは無理です。
・バッテリーのもちが悪い
これも理解して買うべきでしょうか。
大体、一個で30分くらいです。
このくらいというのは、TEC.BEANには大きな液晶が付いており点灯状態と消灯状態では大きく異なる為。
一応三分割のバッテリーゲージですか残り一個になっても画面さえ消えていれば15分とか粘ります。
細かく録画をオンオフするより連続で撮影すればその分、撮影時間は伸びていきます。
これは今後のファームウェアのアップデートに期待です。
電池容量及び撮影時の消費電力は低く、大型モニターが電気を消費しているからです。
このモニターの自動消灯次第で、まだまだ撮影時間を伸ばすポテンシャルがあるということ!
・手ブレ補正をオンにすると画角が狭くなる
これも、あたり前といえば当たり前ですが、手ぶれ補正をオンにすると画角が狭くなります。
手ぶれ=画面が揺れている状態
これを補正するために、画面の周りを取り除き、真ん中付近の絵を補正によって安定して見せるのが電子式手ぶれ補正の簡単な仕組み。
ということは、当然、写っている画面の端側がなくなるというか、画角は狭くなります。
これは、テクビーンのような格安アクションカメラに限らず、電子式手ぶれ補正を搭載しているカメラには全て共通して言えることなので、悪い点ではありますがタクビーンを買わない理由にはなりません。
・手ブレ補正をオンにすると画質が悪くなる
これも当然といえば当然で、手ぶれ補正をオンにすると画質が悪くなります。
これは機能としてうたわれていることではありませんが、
手ぶれ補正=重たい映像をリアルタイム処理
といえば、分かり易でしょうか。フルHDの高画質を録画しながら、同時に映像を補正というか、周りを切り取って、真ん中付近を5軸ジャイロがとらえた加速度を元に計算し、その都度角度を変えて安定させている。
ちょっと高めのパソコンでも辛いような処理を行なっているので、当然、カメラの処理能力に負担がかかります。
よくあるのが低スペックなパソコンを用いてAdobe premiereとか使うと、コマ落ちが起こるのですが、それは処理能力が追いつかず、できていないということ。
TEC.BEANのようなアクションカムも、これらと同じことで合って処理能力が追いついておらず、画質が悪くなります。
ただ、それでも合格点に達していると思うのは
・コマ落ち
・フリーズ
・熱暴走
などは発生しないということ。
多少、画質は落ちますが撮りたいタイミングをしっかりと安定しながら撮影することが出来るので、そう考えると手ぶれ補正オンで画質が悪くなるのも、安定に寄与すると考えれば良くできています。
おそらく、これの開発担当者は画質を落としてでも製品が安定して撮影できることを優先にしたんだろうなと思います。
きっと、こんな会議が合ったのではないでしょうか
上司A:「手ぶれ補正が出来ても画質が落とすなんてダメじゃないか!」
開発マン:「それでも、別暴走やコマ落ちを起こして大切なタイミングを記録できないよりかは、安定することの方が大切です」
上司:そうはいっても、ゴープロも暴走するだろ?そんな小さなこと気にして作っても売れないよ。大切なのは見かけ上のスペックだ
開発マン:周りはそんなカメラメーカーばかりだから、中華カメラはダメだと思われる。それを払拭したい!だから、画質を多少落としてでもこの機能は必要です。
アクションカメラに求められるのは、普通のカメラと違って動きであったり、それこそアクションを記録に残すものだからこそ、画質よりも安定です!
上司:わかってねーなー・・・勝手にしろ!!
と、こんな会議があったかどうかは分かりませんが・・・笑
とにかく、使い手のことを考えた人がこのカメラの開発の裏には居たのではないでしょうか。
・録音される音声が小さ過ぎる
他の悪い点は、仕方ないと思えるような点ですが、ここだけはどうにもならない。
そう、それこそ録音される音声が小さすぎるということ!
いや、本当にカメラの目の前で大きめの声で話して初めて”小さな音”として記録されるレベル。
いつものiMacで音量MAXにしても、ほとんどの音も声も入っていません。
おそらく、集音力が低すぎてノイズと見なされデジタル補正で0になっているのでしょうか。
これだけはいただけない。
画角が広くて、画質が綺麗で小型で最高なタクビーンですが、音がないと
・臨場感がない
・そもそも雰囲気が伝わらない
なんというか、これって致命的ですよね。
開発マンが良く行くローカルの雰囲気、風の音、街の音、川の音、その全てが一切記録されないんですよ。
こればかりはいただけないので、サクッと改造します。
少し長くなりましたので、TEC.BEANアクションカムのマイク改善の件は次回、詳しくお送りします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。